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美しい比喩表現の下で語られる、瑞々しい青春物語。 レプリカが、自身のアイデンティティに思い悩む様子が精緻に綴られた、心温まる物語でした。 また、ナオとアキの、動物園や夏祭りでの交流などが、透明感のある丁寧な分筆で綴られており、彼らの心温まる交流が目の前に浮かぶようで、良かったです。 ただ、正直に言うと、ロボットの意識の話の変形にしか見えない割に、レプリカ周りの設定が詰まっていないように見えるのが気になります。また、シナリオ展開も普通といった所で、大賞作品としてはもう一捻り欲しかった所です。
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電撃大賞作品。
読んでみたいなと思ったきっかけは、本の絵柄が凄く好きだったのと、小学館文庫大賞の『わたしはあなたの涙になりたい』の作者、四季先生(金賞受賞)をおさえて大賞をとったというのでどんな作品なのか気になって。
ちなみに、去年感動した四季先生をおさえて大賞なんて許さん!じゃなくて、四季先生の受賞作の文章、めちゃめちゃ綺麗な文章だったなと思っていたので、あの文章書く人が金賞取った中で更に上の賞をとったというのでどんな作品よ?と期待を込めての気になってっていう意味です。
正直、はじめの100ページくらいは、私の好きな展開の話ではなくて、陰鬱で「うわぁ~、これしんどいかもなぁ」なんて思っていました。
文章が入り込みやすすぎて、序盤が私が好きな展開じゃない分、余計にしんどくて。
ところが、100ページ程度読んだあとにくるアオハル感が素敵で、途中、ヒロインである、レプリカのナオの感情に引きつられて泣いてしまったり、嬉しくなったりで、私のいろんな感情をナオによって揺さぶられました。
いや、全く大したJKですよ、ナオさん。
ある意味ボーイミーツガールならぬガールミーツボーイな話ですが、実は、自分とは何者なのか?と悩む若者に対して、
「自分が何者かなんてわかるはずないのだから、そんなことで悩んでないで、全力でいまを生きて楽しんでみろ」
そんなメッセージも聞こえてくるような気がする、そんなアオハル小説です。
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ホントに最初から最後までキュンとする話でした。途中にあるイラストがまた可愛くて物語をまた美しくしてるような感じがして、感情移入も凄く出来ましたし、沢山の優しさがあって心が温かくなる作品です。レプリカだって、恋をする。というタイトルが本当によく合ってます!
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まず設定で惹き付けられるし、展開もベタなシーンも予想外の妙もあるし、それを一気に読ませる瑞々しくも鋭利な文体が心地よい。さすが電撃大賞を受賞した作品だなと感じました。
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可愛いお話しでした。
突っ込みどころはたくさんありましたが、もし自分にレプリカがいたら?自分がレプリカだったら?
想像の膨らむ1冊でした。
中高生に良さそうです。
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いや、面白かった。
これは設定の勝利だよなあ
そして僕の好きなタイプのお話だ。
初めて恋する高揚感と相手へのドキドキする想いはもちろんそれだけで良いのだけど、さらにこの設定だかこその叶わない願いの不安と苦しさ、何者でもない自分への、自分ではどうすることもできないことへの激情がとても良かった。
特にラストの激情とそれに対する彼の一言は、うん、カッコいい。
途中2回驚かされる展開があって、予想外の方向にお話が進んで、読みながらこのお話はどんな結末を迎えるのかと不安に思っていたのだけど、望む通りの結末でほっと胸を撫で下ろした。
て言うか、後輩ちゃん最強では?
だから彼女の小説タイトルはダブルだったんだとか、そうかその小説が今読んでるお話かとか妄想してしまった。
電撃文庫小説大賞に相応しい青春物語だった
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ドッペルゲンガー的存在のナオ。オリジナルが不調な時に代わりに学校に生活をしていました。
ニセモノとして目立たないようにしている中、クラスメイトの一人が気になり、見てほしいと思うようになってしまいました。
めちゃくちゃ面白い。
恋愛の揺れ動きが本作の設定だからこそより強く描かれているし、その文章も流れるように、けれど確かにあるような感情を描いていて、めちゃくちゃ良かったです。
そしてニセモノが最後まで、ちゃんとオリジナルとは異なる存在として描かれていくのもすごく好きでした。自身の存在への疑問、恐ろしさ。恋愛との兼ね合いもとても好きです。
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個人的には素直が好き。すごく人間くさい。レプリカの方が素直だから怖くなるところ、めんどくさいところを押し付けるところ。それでもなおに居なくならなくて良かったというところはうるっとくる。これからが気になるね。
りっちゃんが素直となおを見分けてるところも良かった。小学校からの仲という伏線を回収したね。
本筋の「恋をする」ところだと、動物園で初めてだと言うところやとにかく予定を入れようとするところは可愛いし、レプリカゆえの想いだよね。良かった。
後味がいい物語だった。
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電撃小説大賞受賞作品。ライトノベル新人賞の作品は単巻できりよく纏まっているものが多いので結構好き。普段ラブコメとか恋愛小説はあまり読まないけど、忘れた時にふと読んでみると、優しい気持ちになれる。レプリカの主人公が贈るちょっと不思議な日常はとても引き込まれるし、何気ない日常の大切さを再認識させてくれるストーリー・キャラクターはすばらしかったです。一番気に入った登場人物はりっちゃん。重要な役回りを担うだけでなく、ほっこりするシーンも多くて素敵でした。
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静岡書店大賞映像化したい文庫部門受賞作。ずしんと胸に重たいものが残る。ハッピーエンドっぽく爽やかに終わっているけど、結局何をどうすることができるのか…?と思わずにはいられない。
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構成が上手い。それでいて展開も巧みだしキャラクター一人一人が立っている。おまけにとびきり切ないと来ている。
一人の女子生徒の身代わりとして生み出されたレプリカ、この不思議な存在の視点から描かれた透明感溢れる青春劇だが巧みさに舌を巻いた。青春の淡々とした平穏の中にある様々な感情や景色を切り取るのが上手くてしばらくこの物語に埋没していたい。
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たぶんフォーマットに則った恋愛もの。レプリカのナオはこれでもかってくらいに、健気で頑張り屋で、このキャラは応援したくなるよね。それとは対照的に素直は悪者役を引き受けていて、でもそれって自分に自身がないから強がっていただけだったと分かる展開、ありがち展開とは言え、下げてか上げる作戦は成功しているよね。森博嗣さんのS&Mシリーズみたい。
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主人公とレプリカのありえない日常を淡々と描いていた印象。描写がすごく爽やか。
レプリカとの恋なんて最後どう落とし前つけるの?と思ってたけど綺麗に一冊にまとまっていて凄い。
終盤は涙腺崩壊、読了感の良さ。最後まで読んで良かった。
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読みやすかった。
ラノベでは珍しく、キャラクター萌えやオタク受けを狙った展開などはなく、純粋に物語の設定と地の文の表現力などで勝負している感じがした。
情景描写などは結構爽やかな印象で、テンポよく読み進めることができた。
個人的には泣けるほどではなかったしどのタイミングで泣けたのかもあまり覚えてないが、読後感は悪くなく、ほっこりした感じで読み終えることができた。
最後に、些細な事だが、ナオがレプリカであることにとある人物が気付くが、自分だったらまず多重人格等を疑いそうだなと思った。もしかしたらそこに説得力を持たせる展開が次巻以降にあるのかもしれないが。