練り込まれた世界観、バーチャルでの生々しい人間関係
2009/02/07 23:41
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
15年前に登場した、ニューロリンカーと呼ばれる脳と量子無線接続する携帯端末により、リアル世界での生活をバーチャル・ネットワークでサポートできるようになった。学校という空間はあり、そこに中学生が集まることも変わりないのだけれど、授業内容は目や耳を介すのではなく直接脳内で映像化され、理科の実験も家庭科の実習もバーチャルで行われる。
そんな世界で生きる中学生の一人である有田春雪は、太ったいじめられっ子。昼休みも一人トイレの個室で学内LANに接続し、生徒の誰も興味を持たないゲームで時間を潰していた。そんなある日、誰も抜かせるはずがないと思っていた自分のハイスコアを、軽く抜かしてしまった生徒がいることに気づく。それは副生徒会長であり、黒雪姫と称される校内一の美少女だった。
彼女は、ハルユキにブレイン・バーストというアプリケーションを送信してくる。そのアプリは現実を壊してくれる、という黒雪姫の誘惑に乗った彼は、これまで知らなかった世界を知る。加速世界と呼ばれるそれは、一定時間だけ思考速度が千倍になる世界だった。そして、ハルユキと黒雪姫の戦いが始まった。
読み始めてすぐ、紹介される世界観がとても作り込まれていることに気づいた。ニューロリンカーの使用上で問題となる様なポイントにもちゃんと対策が取られている。個人的に気に入っているのは、この加速世界が人為によるものだということ。人為により作られたものは人の手で変えられるはずなので、知恵と勇気で必ずどうにかできるはず、という希望がある。
まだまだ物語の先は長そうなので、今後の展開が非常に楽しみです。
主人公が劣等感をのりこえて前に進むところがよいです。
2012/08/30 19:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たれごろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
仮想空間ゲームをとおして、主人公とそれに関わる人物の思いが描写されていて、とてもよかったです。いじめられている主人公が、自分の弱さを乗り越えて、本当の自分がもっている強さを、黒雪姫や主人公と関わる人物をとおして発揮していっているような気がしました。
読みやすくチープ
2009/02/24 19:21
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界観・文章力・構成など非常に高いレベルにあり、引き込む力・読ませる力は十分にある
しかし、ちょっとチープというかいささか物足りない部分があった
・速度を重視しながらも、文章にスピード感がない
意識が加速されるのでのんびりしゃべっていても大丈夫ということなのかもしれないが、のんびりしすぎて「いいのかそれほっといて?」と思わされる
・敵が狂気的すぎる
ありがちすぎて、ここで読むのを止めようかと思った
彼なりの事情があるのが明かされながら、そこに重点を置かず、このキャラ処理はもったいない
しかも、遠距離攻撃はないという設定だったはずだが・・・
キャラクター心理は全体的にもう一歩踏み込んでほしかった
・意表をつかない堅実な展開
色々「元となった他の作品」「よく似た設定の作品」を思い浮かべてしまうオリジナリティの弱さ
けして悪くない作品ですが、もう一段登れそうで登れなかったという感じ
投稿元:
レビューを見る
初版を見かけなくなってきた頃にあわてて買ったのを思い出した。
普段利用しない本屋で買ったんだけど、オビがついてなかったのは何でかなぁ。
「オビなんか邪魔邪魔邪魔ァァ〜〜〜〜!!」
って取っちゃう本屋とかってあるのかな?
---
03/17
読了。読み始めてからは早かったな。
正直、敵の正体とかすぐにわかっちゃっうんだけど、
まぁ1冊で完結しようとするとそうなるか。
あとは戦闘シーンの効果音とかどうにかならないかなぁ。
この作品に限った話じゃないんだけど・・・。
投稿元:
レビューを見る
<内容>
ニューロリンカーと呼ばれる脳と量子無線接続し、あらゆる5感の情報を提供する携帯端末が普及した世界においても、いじめられっ子はいた。ハルユキもその一人。
彼の休まる場所は学内ローカルネット内のスカッシュゲームをしている時だけだった。それも、速さを競うだけのゲームである。
そんな折、黒雪姫から転送された謎のソフトウェアによって彼の世界は一変する……
第15回電撃大賞受賞作。
<感想>
世界観がすばらしい。
説明がまったくといってないのに、すんなりと世界に入り込める。
そして、戦闘もハルユキが弱いこともあって知能戦だったり、構成とかもちゃんとしてる。
もぅ世界に引きづり込まれる。
ほんとに今回の電撃大賞はレベル高い。。。
ただ、一つだけ。。。。
それはシアン・パレルの正体。
まぁ、伏線とかもうまいから気づかない人は気づかないんだとは思うんだけど、ラノベとかゲームとかで不要な人物を出すことって少ない訳。
それも、大賞作品ってことは単巻で構成組んでる訳だから、それこそ必要ない人間は出てこない。
つまり、今回の場合、他の学校の人間の名前が出てくること自体がありえない。。と。
つまり、犯人確定ですよ。。。orz
まぁ、構成上 他の学校にしなければならない理由があったから仕方ないけど。。。。
あのトリック??もすばらしかったし。。。
投稿元:
レビューを見る
後半のバトル描写が熱いです。
中二病展開で進んでいくため、ちょっとした抵抗はあったものの、最終的には世界観にどっぷりと浸れました。
ブレインバーストがもしあったら、いることいらぬこと色々使ってみたい。
黒雪姫の挿絵で買っても後悔はしないと思います。
川上稔の短編はいい味出してました!一気に興味湧いたかも。
投稿元:
レビューを見る
近未来学園バーチャル格闘もの。
ニューロリンカーという携帯端末を使い、脳と量子無線接続し、映像や音声などあらゆる五感を脳内に直接映像化する技術が発達した世界、
学生たちは学園のローカルネットに接続して、自分のアバターを設定し仮想世界をエンジョイする。
この本は、こういったちょっと近未来的な設定の中で、さえない太ったゲームおたくの主人公(アバターはピンクの豚)が、
黒雪姫にゲームスピードを見染められ、少女が転送してきた謎のプログラムをインストールすることによって、
加速世界にいざなわれる。
そこは、ブレインバーストと呼ばれる仮想加速世界。
現実の世界の1秒は、その世界では16分40秒に相当する。
むろん、この加速は任意でとくことができる。
つまり、現実世界で1秒で決断しなければならないことが、
ブレインバーストに入れば、16分40秒熟考することができるということ。
ブレインバーストでさらなる加速のスピードを上げられるようになれば、
さらなる高みに上り詰めることができる。
そのためには、同じブレインバーストの住人に対し、
戦いを挑み、勝って相手のポイントを自分のものにするしかない。
謎めいた黒雪姫を守るため、仮想の世界で主人公はバトルを繰り返し、
どうせおれなんか・・という劣等感を払しょくし、
強く成長していく。
構成はしっかりしていて、電撃小説大賞を受賞しただけの力量を感じる。
時間もまた読みたくなる。。そんな作品だった。
投稿元:
レビューを見る
結論から言えば、確かに面白かった。評判が高いのもわからなくも無い…けれども、こんなに絶賛されるほどの作品かどうかは正直微妙な気がする。個人的に気になった点を何点か。
まず、地の文が多い。この作家のクセみたいなところがありますね。ラノベの場合、状況を会話で説明してしまうタイプと、客観的に地の文で説明してしまうタイプがあると思います。両者の中間で、地の文がそのまま会話の一端を担っていたりする場合もあります。この作者の場合、非常に地の文での説明が多く、また少々難しい言葉を用いて書かれたりもしているのでサクサク読める作品という感じではありません。「読み応えがある」という感想を抱く所以でしょうか。これはある意味「ライトノベル」という枠で捉えるのは厳しくなってくる気もします。
文章中での修辞技法、特に「倒置」を用いた書き方が多い。あまりにも多すぎて強調の意味を成さず、むしろ読む時に疲れてきたり萎えたりする。勿論この辺の受け取り具合には個人差があると思うけども、何とか地の文のマンネリ感を失くそうとしている感じを受けます。もう少し会話での説明が多かったりしてもいいんじゃないかなぁとも思った。だってラノベだし。
ただ世界観はよく伝わってきました。ニューロリンカーと脳波の仕組み、加速世界の掟、各登場人物たちの関係などなど。読者が様々な設定から抱くであろう疑問に対する答えがある程度示されているのは好感持てます。また.hackとかみたいに完全に空想世界の中での話というわけじゃなく、リアル世界との相関性が重視されてるのは面白いかもしれません。たしかにネトゲとかやってたら「リアルじゃこの人どんな感じなのかなぁ」とか気になるもんねぇ。
キャラクターについて。主人公が出来損ないなのは個人的に好きです(笑。ヒロインである先輩がまた特別な存在っていうのもある意味で王道だけど、だがそれがいい。チユリもそのうちバーストリンカーになりそうな気がしてならない。キャラ達が中学生ってせいか(性的な意味で)魅力は格別感じないけど、先輩はかぁいいとは思う。6人の王達と戦うってことは、少なくともあと6巻くらいは出るってことですよね。先輩のレギオン”ネガ・ネビュラス”がどれくらいの勢力になるのか期待。
繰り返しだけど、面白かったけど世間の評価が高すぎるっていう感じがしました。「電撃大賞受賞作」って部分に先入観があるのかな…とも思いつつ。…文句言いつつ続編は買うと思います(笑。
投稿元:
レビューを見る
素晴らしいの一言に尽きる。
電撃大賞の特に大賞作品は駄作が多いと思っていたが、今回は一味も二味も違ってとても面白かった。
川上稔の後書きも載っている、第一巻。絶対に買いですw
投稿元:
レビューを見る
これを読んで「心底つまんねー!」って思った人は多分ライトノベルが向いてないと思うよ。っていう位王道でしかも安定感がある。
あるいは逆にかなりすれたラノベ読みとか
投稿元:
レビューを見る
ソードアートオンライン以後の世界観?
面白いけど、続編以降どうするつもりなんだろう?
レベル10へ?
投稿元:
レビューを見る
今あちこちで話題の作者、ということで、試しに読んでみた『ソードアート・オンライン』が思いのほか面白かったので、2巻と一緒に購入。『SAO』同様、ゲームを取り扱った小説、にしては、こちらも思いのほか分かりやすく、ゲームについては無知な私でも、サクッと読み進められました。しかも、ストーリーだけを考えたら結構ありふれたものだと思うのに、それを飽きさせることなく、主人公の心情なども細かく描きながら、最後まで引っ張っていく吸引力たるや、これはスゴイですね。ほぼ一気読みさせられました。これはとても面白いです。これから先の展開が楽しみだ★
投稿元:
レビューを見る
電撃大賞受賞作ということで期待してたけど・・
バーチャルで闘ったり加速したりするんだよね
主人公はいじめられっこのポッチャリ系で、ヒロインは美少女
好青年な親友と活発で面倒見のいい幼なじみ
なんだろー普通に面白かったけど
そこまでのめりこめませんでした。
ながいんだもの!
RPGとか格ゲーとか、というよりネトゲっていうのかなあ
オンラインゲームがすきなひとにはいいのかも
投稿元:
レビューを見る
まんだらけ 420円
読み始めたけど、俺はソードアート〜の方が好きだな。
”加速”が売りなはずなのに、戦闘ではそこが生かされておらず、、もっと一風変わったつくりになってると惹きつけられたかも。
ってか、あのバースト〜の仕組みだと、最初のスカッシュで勝てなくね?自分で加速度を調節できるならまだしも、強制であの速さになるのなら30分をほぼ無駄にするだけじゃんね。
投稿元:
レビューを見る
川上稔氏による推薦文と解説が載ってたので購入。
設定マニアな話は好きなので面白いんだけど、何かにつけ都合がよい展開にちょっと戸惑うというか。
ヒロインの女の子の、大人びたようで年相応、という描写が悪い意味で曖昧な感じになっていて、いまいちキャラクターに感情移入しきれなかった。